当社は最先端量子デバイスの研究開発や、脱炭素を実現する炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を材料とした次世代パワー半導体デバイスのゲート酸化膜形成用の新型プラズマALD(原子層堆積: Atomic Layer Deposition)装置を開発、販売を開始します。
当社はグローバル中堅企業として、日本国内はもとより米国、欧州、台湾、韓国、中国、東南アジア、インドなどのSiCやGaNなどの化合物半導体を中心とする電子デバイス分野向けに多数のドライエッチング装置やプラズマCVD装置を販売してきました。
今回、販売を開始するプラズマALD装置『AD-800LP』は、これまでの熱による成膜だけでなく、プラズマ生成機構を追加することで様々な条件での多様な成膜を可能とした、多目的に使える研究開発装置としました。2015年に販売を開始した熱ALD装置『AL-1』から、改良を行うとともに、最適なプラズマ生成方式を模索し、今回、世界で唯一のトルネードICP方式を開発したことにより、装置完成に至りました。当社は長年ICP方式のエッチング装置を販売してきており、その知見と経験を活かした独自のプラズマ方式でのALD装置となります。
『AD-800LP』は、ロードロック室と反応室を備えた研究開発および試作開発向け装置です。生産用の真空カセット対応や複数反応室を接続可能なクラスター対応も検討しています。成膜有効径は212 mmで200 mmウエハーの枚葉処理に対応しています。電子デバイス分野向けに多いø100 mmウエハーは3枚の同時処理が可能です。
ALD装置は、メモリやロジックだけでなく、電子デバイス分野でも市場が拡大しています。フランスの調査会社Yole Groupによると、ALD市場は年平均12% 成長し、2026年には6.8億ドル(約900億円)に到達する見込みです。特に、当社は脱炭素を実現する次世代パワー半導体材料である炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)デバイスのゲート酸化膜形成用途は、長期的に市場が拡大していくと予想しています。
2022年2月に開所した「ナノ薄膜開発センター」ではALD装置をはじめとした独自の薄膜形成の研究開発を行っています。今後も『薄膜技術』を活かし、独自の製品開発を行い、グローバルに販売を拡大してまいります。
新型プラズマALD装置『Model: AD-800LP』
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