当社は、IoTの本格化に向け今後更なる需要拡大が見込まれる電子部品や化合物半導体プロセス向け製品の生産能力を増強するために本年1月に着工していた第2生産技術棟の竣工式を6月17日に行いました。
第2生産技術棟は本社社屋の近接地に位置し、京都市が企業立地の促進及び京都経済の活性化を図るために創設した「京都市企業立地促進助成制度」の対象事業に指定されています。1,260 m2の土地に217.61 m2の簡易クリーンルームを備えた延床面積1,130 m2の鉄骨2階建工場であり、投資額は約6億円(建屋関連及び生産技術研究棟を含め)です。特に周辺の環境にも配慮しており、最先端の省エネ技術を導入したLED照明や一部電力を賄うための大型太陽光発電パネル(最大発電量約50kW/h)を屋根全面に配置し、屋根には断熱性の高い塗料を使用し、省エネ型新空調設備を採用しています。主に生産用途向け製造装置の組立・調整の拠点として2016年秋から本格稼働を予定しており、年間40億円程度の製品出荷が可能です。現状の生産技術研究棟の有する60~70億円の生産能力に第2生産技術棟を加えることで100~110億円の出荷が可能となります。組立・精密調整に必要な要員は逐次補充強化していきます。
足下は中国の内需の低迷や原油価格の下落、円高で景気に不透明感があります。さらにスマートフォン市場の成長の鈍化でサムコの売上の牽引役を担ってきた高周波デバイス向けの設備投資も一服感が出ていますが、次世代デバイスや通信用半導体レーザ、車載用各種センサー、小型プロジェクター向け商談は活発化しています。また、IoTの本格化や将来的には医療やロボット分野向けで生産用のドライエッチング装置やCVD装置の更なる需要拡大が見込まれています。市場の本格化に先立ち、積極的な設備投資を行うことで次の成長を推進していきます。
第2生産技術棟外観