真空とは
真空の測定
簡単に言えば、頑丈な容器(反応室、またはチャンバと言います)を用意しポンプで中の空気を引くことで、真空は作れます。ただ、半導体製造装置など産業で真空を使う場合には、反応室内の真空度を測定して、目的の圧力域に調整する必要があります。
[1]真空が悪化する要因
- ①リーク:反応室にすき間があり、空気が入り込む現象。
- ②脱ガス:反応室内の壁や部材に付着した気体分子がガスとして漏れだす。一旦反応室を大気開放すると、大気中の気体や水の蒸気が反応室内の壁に吸着し、真空に引くとこれらが脱離して真空中に出て来ます。
上記のような現象が起きると、処理する半導体デバイスの性能に影響を与えるため、装置は以下のような方法で真空がつくれているか検査されます。
[2]真空の検査方法
- ①Heリーク試験(真空吹付け法(スプレー法)):Heリークディテクターを使った安全な検査です。反応室を真空にして、リークが起きそうな部材の継ぎ目などに、Heをかけて漏れがないか検査します。漏れ箇所より反応室内に進入したHeを検出します。Heを使用する理由は、分子直径が小さいガスの中で毒性や引火性がなく、容易に用いることができるためです。また、大気中の含有量が少なく、質量分析で他のガスとの識別も容易です。
- ②封止圧力検査:真空に引いた反応室を封止した状態で、経過時間と圧力を測定する。リークや脱ガスがあれば、検査基準より速く圧力が高くなる=大気圧に近づく。この検査では、リークと脱ガスの両方を測っているので、もし異常があれば、追加検査で何が原因か特定する必要があります。