真空とは
真空の圧力とガスの容積の関係
半導体製造装置が「真空」を必要とし、反応室がどのようなものかを説明してきました。しかし、原料となるガスを反応室内に供給しなければ、成膜や加工を促す反応を起こすことはできません(さらにプラズマを起こすには、高周波の印加が必要です)。そこで考えなければならないのが、圧力と容積の関係です。
[1] ボイルの法則
温度と質量が一定のとき、気体の圧力p(Pa)は体積V(m3)に反比例する。
・pV = k(一定)
反応室を真空に引いていく時は、圧力pの値が小さくなっていきますので、ガスの容積Vは大きくなります。ただし実際は、反応室の容積は決まっていますので、圧力が下がっていくと、ガスの密度が小さくなっていくという方がイメージしやすいかもしれません。
[2] 理想気体の状態方程式
気体の圧力p(Pa)、体積V(m3)、物質量n(mol)、気体定数R (J/(mol・K))、絶対温度T(K)
・pV = nRT
理想気体とは、分子自体の質量と分子間力をもたないと仮定した気体のことです。さきほどのボイルの法則に加え、温度と物質量が追加され、より現実に即した方程式になっています。半導体製造装置は圧力域や温度、ガス(気体)の種類や流量を組み合わせて反応を起こしますので、この方程式を用いて事前に予測をすることはとても大切です。