財団の概要
設立の趣意
近年、我が国における科学技術の発展は著しい成果が認められる。とりわけ、物理学、化学及び分子生物学などの領域においては、ノーベル賞受賞者の増加及びこれに準ずる様々な成果として表れている。基礎研究が数十年に渡り続けられてきたことが成果に結び付き、我が国は科学立国として世界に認められつつある。
一方、これらの成果を生み出すための環境整備は十分に確保されているとはいい切れず、とりわけ若手研究者や技術者に対する資金面を含めた研究支援について十分な体制が敷かれているとはいい難い。特に、短期間に成果が得にくい分野に対しては小規模な研究資金を得ることも困難な場合が多い。
こうした現状を鑑み、現在大学等高等教育機関、公的研究機関が主体となっている研究開発のみに留まらず、民間企業による産学公連携を通じた基礎研究開発に注力することで、独創的な技術開発の支援、新たな産業の創出や実用化、将来の国際競争力の強化への展望が開けると考えられる。科学の進歩が技術ないし産業の発展を促すことになるという因果関係において、我が国における基礎科学分野を高い水準で維持、向上していくには、長期的視野に立って、世界で通用する若い人材の育成と強化が今後の課題である。
これらの諸問題に応えるため、東京証券取引所市場第一部上場を機に、サムコ株式会社創業者 辻 理の拠出財産により一般財団法人サムコ科学技術振興財団を設立するものである。サムコ株式会社がこれまで培ってきた薄膜・表面科学及びこれに関連する応用分野の研究を振興し、我が国の科学と産業技術の発展に寄与・貢献せんとするものである。
よって当財団は、サムコ株式会社が掲げる「薄膜技術で世界の産業科学に貢献する」という基本理念の下で、新たな技術分野へ果敢に挑戦する次世代の研究者、学生、技術者の研究開発に対し助成を行い、広く世界に通用する基礎研究及び人材育成の支援を事業目的とするものである。当財団の事業が科学技術振興の一助になりうるならば、この上ない喜びである。
名称・設立
名称 :一般財団法人サムコ科学技術振興財団
設立 : 2016年4月1日(登記)
事業の概要
当財団では、薄膜・表面科学及びその周辺工学の分野で産業科学の発展に大きく貢献するような研究・開発に関する活動を支援し、
かつ国際的に活躍できる人材育成に寄与することを願い、以下の事業を行っております。
- (1) 薄膜・表面科学及びその周辺工学分野の研究・開発に対する助成
- (2) 薄膜・表面科学分野の研究成果に対する顕彰
- (3) 薄膜・表面科学分野の研究成果の国際的普及及びその支援
- (4) その他前条の目的を達成するために必要な事業
また、毎年研究助成を実施した研究者等の業績内容を掲載した「研究報告集」を刊行し、関係方面および希望者へ配布しております。
沿革
- 2016年4月:
- 一般財団法人サムコ科学技術振興財団 設立
- 2017年9月:
- 研究助成事業開始。第1回5名 計1,000万円を助成。
- 2018年9月:
- 第2回 6名 計1,200万円を助成。(累計11名、累計2,200万円)
- 2019年9月:
- 第3回 5名 計1,000万円を助成。(累計16名、累計3,200万円)
- 2020年9月:
- 第4回 5名 計1,000万円を助成。(累計21名、累計4,200万円)
- 2021年9月:
- 第5回 5名 計1,000万円を助成。(累計26名、累計5,200万円)
- 2022年9月:
- 第6回 6名 計1,200万円を助成。(累計32名、累計6,400万円)
- 2023年9月:
- 第7回 7名 計1,400万円を助成。(累計39名、累計7,800万円)
- 2024年9月:
- 第8回 10名 計2,000万円の助成。(累計49名、累計9,800万円)
- 2025年:
- 第9回 研究助成事業を実施予定
お問い合わせ
〒612-8443
京都市伏見区竹田藁屋町36番地 サムコ株式会社内
一般財団法人サムコ科学技術振興財団
TEL:075-621-0711(代)
FAX:075-621-0936
E-Mail:samco-stf@samco.co.jp